

雛人形とお道具や装飾品、
お飾りアイテムの持つ意味や意義
雛祭りにお飾りする雛人形や屏風や豪華な飾り段、お道具類などの調度品は華やかに豪華飾り付けします。
見た目だけではなくそれぞれの持つ意味合いや子供の成長祈願や厄払い、お祝やラッキーアイテムとして昔から日本人はミニチュア化し子供の身の回りに置き子供の成長を祈願しました

桜橘(紅白梅)
雛段のお内裏様とお雛様の左右には、 通常、向かって右に桜、左に橘の木が飾られます。 これは、京都御所の紫宸殿(ししんでん)にある庭木、 「左近の桜」「右近の橘」に由来しています。 名前と実際に並べる左右が逆なのは天皇から見て左が桜、右に橘が植えられているからです。 (こちらから見たら右が桜、左に橘になる)
紫宸殿は、天皇が重要な儀式を行う最も格式高い場所であり、 桜と橘は、その神聖な空間を象徴する存在です。
実際のわたしたちの婚礼や披露宴でもお花やブーケが飾られるように、婚礼の模写である雛人形にも華やかなお花をお飾りしてお祝いします。雛人形の飾りには桜橘をはじめ紅白梅や現代的なブーケ飾りをお飾りし豪華に飾ります。

屏風
雛人形には、「屏風」がセットになっているケースが一般的です。屏風はもともとは風や視線をさえぎる目的で使用された装飾品としての一面もあります。職人や絵師によって美しい絵柄が施されたものが多く美しい日本調度品です。風習として婚礼の場やお祝い時に使われ、雛人形にも縁起ものとしてミニチュア化した金屏風が使われました。住宅や洋風化にあわせお部屋に馴染みやすいデザインの屏風を採用し様々な雰囲気に演出しています。

菱餅
菱餅(ひしもち)は、雛祭りに飾られる菱形の餅で、
一般的に下から白、緑、ピンクの三色が重ねられています。
この三色にはそれぞれ意味があり、白は雪解けの清らかさ、
緑は新緑の芽吹きによる生命力、ピンクは桃の花の華やかさを表しています。
また、菱形は心臓の形に似ていることから、健康長寿の願いが込められているという説や、
子供の身を守り悪霊を払う力があるとされる菱の実の形を模しているという説もあります。

三宝と口花
女雛と男雛の間に飾る道具を三宝飾りと言いその上に瓶子(徳利のような形の金属や陶器で出来た物)に口花(くちはな)というお花を飾ります。このお花は桃の花を模しています。桃の花である理由は「古事記」に登場し悪霊を退散させ「イザナギノミコト」を守った桃の神様である「オオカムヅ ミノミコト」の霊力にあやかり、子供の身を守り幸せを願うという「桃の節句」の起源となった桃の花を美しく模し雛人形にお飾りします。

ぼんぼり
ぼんぼりは、雛飾りの両脇に飾られる、灯りをともすための道具です。
その柔らかな光は、お雛様を優しく照らし出し、お祝いの場を華やかに演出します。ぼんぼりは、かつての婚礼の際に用いられた灯りを模しているとも言われ、お雛様の嫁入りを祝福する意味合いや、将来の明るい幸せを願う気持ちが込められています。
現代では雪洞(ぼんぼり)の他に行灯(あんどん)や燭台(しょくだい)と呼ばれる形状の灯りが飾られます。子供の未来を明るく照らすぼんぼりは無くてはならない飾りの一つです。

緋毛氈
雛祭りので思い浮かぶ最初の色は段や飾りの敷物に使う毛氈の赤色ではないでしょうか? 何故この緋毛氈を使うのか? 赤い毛氈を敷くことで結界を作りお家の中に神様の宿る神聖な場所を設け、そこに子供の分身の雛人形を飾り、子供の健康や幸せを神様にお願いするためです。
これは日本では神社の鳥居などが赤く塗られている事や赤飯など祝い事に赤色がつかわれているように赤色は古くから邪気を払う色として、縁起の良い色とされています。その理由としては、次のようなものがあります。 太陽や朝日、血液の色を表し、その力が邪気を祓うと考えられていた、陰陽五行の考えでは、赤は「火」にあたり、エネルギーの象徴としてもっとも 強い力を持っている色とされ万物がのびのび育つ豊かなイメージを表す 赤色を身につけることで、元気付けや勇気付けをするという意味合いもあります。
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《 三代目 人形屋 kureチャンネル 》詳しい解説はこちら!五月人形

五月人形
五月人形は、男の子の成長と健康を願い、
災厄から守るための大切な飾り物です。
鎧や兜、武者人形など、種類によって意味合いが異なりますが、
共通して男の子のたくましい成長と将来の成功を祈る親心が込められています。

鎧飾り
鎧飾りは、武士の象徴である鎧を模したもので、頭の先から爪の先まで防御する鎧で男の子の体を守り、強くたくましく成長するようにとの願いが込められています。
武者人形は、歴史上の有名な武将や英雄を模したもので、
男の子が彼らのように立派な人物になるようにとの願いが込められています。
鎧がこわいと言われる事もありますが、邪気や病気、厄災から子供を守る強い物の象徴として形代なので昔はこわく(強そう)に作られましたが、近年は色糸の綺麗さや華やかさが見直され人気があります。

兜飾り
子供の身を守る甲冑としてお節句にお飾りする兜は一番大切な頭を守る物の象徴と形代として飾られます。住宅事情にあわせ小型化し端午の節句の飾りとしてさまざな大きさや形状や色、鍍金色のバリエーションがあります。
兜は日本の武士の歴史になぞらえ平安・鎌倉時代より戦国時代まで様々な年代の甲冑をモチーフに又有名武将の特長をとらえモチーフにした兜が職人の手により生み出されています。
又製作方法も地域性や職人のこだわりにより違いがあります、京都の甲冑は金具類の装飾が華やかで本金箔を使用した兜が多く、江戸甲冑と呼ばれる兜は本物の甲冑に近い製作方法で製作され、シンプルですがそぎ落とされた機能美や縅糸の美しさが見どころになります。又実際にお子様が兜をかぶって記念撮影できる着用兜もあります。源義経や伊達政宗、徳川家康などを歴史的に有名又ご当地の殿様など、好みや押しの武将の甲冑をお節句の飾りに選ぶのもよいでしょう。

子供大将
鎧や兜とは違い親しみやすいお顔や子供の顔の付いたお人形に武将衣装を着せ付けたお人形を子供大将と呼びます。
時代により大きさや飾り方は変化してきま した、近年では衣装着だけではなく木目込み人形など製造方法も様々です。比較的コンパクトの飾りが多く、製造元が関東に多く地域性で好みがわかれる飾りです。ご長男に鎧や兜をご用意した場合ご兄弟で違いを出したいという方が子供大将を選ぶ場合が多いようです。

菖蒲
端午の節句は、「厄払い」の風習が起源であると言われています。
奇数を重ねた日である「五節句」の時期には邪気が近づきやすいと考えられ、神様にお供え物をして無病息災を祈願する習わしがあり、 そのうち五月五日の端午の節句は「菖蒲(しょうぶ)の節句」とも表現され、香りの強い菖蒲やよもぎを軒先につるしたり、菖蒲湯に入ったりして厄払いをしました。
武家では菖蒲を「尚武(しょうぶ)」、つまり武道を重んじる考えと関連付けるようになり、菖蒲の葉先が刀に似ているので魔を切る縁起ものとして用いられました。
兜や鎧や武者人形といった勇ましい飾り付けによって男の子の健康と成長、出世を願うようになったとされています。

弓太刀
弓太刀(ゆみたち)とは、弓と太刀を一対とした飾り道具のことです。兜・鎧などのメインで飾るものを中心にして、向かって左に「弓」、右に「太刀」を飾りますまた、太刀を置くときは、鞘(さや)を上、手で握る柄(つか)を下にして飾ります。弓の弦を弾いた音は、魔物が嫌いな音と言われています。ここから、厄払い・魔除けの縁起物として扱われるようになりました。太刀にも同じく、魔除けの意味があります。
魔物は光り物を嫌うとされ、刃物は光り物として最適なことから、太刀が魔除けの意味を持つようになりました。日本にはかつて、こどもが生まれたときや嫁入りのときに短刀を贈る「守り刀」という風習がありました。 子供の身を守る端午の節句のラッキーアイテムの一つです。

鯉のぼり
屋根より高く掲げる鯉のぼりは、天の神様のご加護がその家の子どもに最初に授かるよう願いを込めて立てられるものです。端午の節句に飾られるこの風習には、男の子の健やかな成長と立身出世を願う想いが込められています。
その由来は中国の故事にあり、黄河を遡って竜門の滝を登り切った鯉が龍になるという伝説に基づいています。
鯉は困難を乗り越えて成功する象徴とされ、鯉のぼりには「子どもが逆境に負けず、強くたくましく育ち、やがて社会で大きく飛躍してほしい」という願いが託されています。
風を受けて大空を泳ぐ鯉のぼりの姿は、生命力にあふれ、見る人に勇気や希望を与えてくれます。

暮石人形(くれいしにんぎょう)は、名古屋の地で100年以上にわたり、節句人形の専門店として皆さまに支えられてきました。
これからも「お節句」の伝統文化を大切に受け継ぎ、発信していきたいと考えております。
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